【塾生ストーリー】26歳の再チャレンジ

『そして、彼は「また戻ってきます」と言った。』








齊藤英起くんと初めて会ったのは約2年ほど前だったと思う。




とあるツアーでたまたま隣に座り、

名刺交換をしたのだ。




まだ20代半ばという彼は、

留学していたという経験を活かし英会話の事業を

数名で立ち上げたと言っていた。




勢いがありながらも、礼儀正しく、さわやかな彼に

好印象を持ったことを覚えている。






・・・






その後、彼と連絡を取ることはなかったが

何かのきっかけで久しぶりに会うことになった。




待ち合わせ場所にした池袋のカフェに

着くと、彼はすでに待っていた。




「お待たせ!久しぶりだね。」




声をかけて彼を見たとき

驚きを隠せなかった。




なぜならば、一目見て

明らかに何かあったような雰囲気であり、

顔色も悪かったからだ。




以前あったさわやかさが影も形もなくなっていた。




「ど、どうした?何かあったの?」




「実は、、、」




彼の話によると、

数人の仲間と始めた英会話の事業だったが

自らの力不足や金銭管理の甘さからボロボロになったそうだ。




疲れきった彼の表情を見て、

事の重大さが窺えた。








「石野さん、オレ、どうすればいいですかね?」








きっと八方塞がりで

不安でたまらないのだろう。




何か道しるべが欲しいという気持ちが

ヒシヒシと伝わってきたが、

私はお世話になったメンターからの教えにより






「不安を動機に動かないこと」

 

「不安をしっかりと味わうこと」






といった不安との付き合い方について

教わっていたので安易なアドバイスは何もしなかった。




そして、

その日は、ただ彼の話を聞くことに終始した。




解決策は何もなかった。




もしかすると彼にとっては無意味だったかもしれない

久しぶりの再会はそれで終了した。




・・・






それから数ヶ月が経ち、

 

斎東亮完によるプロデュース塾の1日集中コースが

開催されることになった。






全国から様々な業種・業態の方が

自身の拠り所となる人生と経営の羅針盤を

求めて参加してくださっている人気のコースである。






ふと、彼のことを思いだし、

誘ってみた。




もしかしたらもうすでに満身創痍だから

こないかもしれない。




でも、ダメ元で誘ってみよう。




フェイスブックでメッセージを送った。















数日後、彼からの返信があった。




ぜひ参加してみたいとのこと。






個人的には一体彼が今はどんな姿でいるのか

気になって仕方がなかった。






セミナー当日。




今思うと、あのときが彼の不安のピークだったのだと思う。




愛想笑いもできない。




周りの空気も重たく感じる。




そんな状態だった。








しかし、

彼はその不安から逃げずに

安易な道を選ばずに




まっすぐに向き合い、乗りこえるために

来ていたのだった。




そんな彼の想いに講師である斎東亮完は応えた。






一日セミナーで何があったのか。




ということは詳しくは省かせていただくが、








結論としては彼は一度すべてを精算し、

地元に戻ることに決めた。




一から鍛え直すということだ。






次の方向性を見出した彼の表情に

もはや迷いはなかった。




あとはもうやるだけ。




そんな姿が誇らしく思えた。








逃げずに、先延ばしせずに

今と向き合うこと。




自分のダメなところも受け入れること。




良いところも変える必要があるところも

すべてをひっくるめた現状の棚卸しをすることから




人生と経営の今後の方向性は見出すことができる。








斎東亮完は言う




「大成した人物はごく一部の例外を除いて

 

すべからく、徹底的に修行をした時期があった。

 

ブームで終わりたくないのなら、

 

まずは徹底的に修行をして実力を養うこと。」






その後、彼は

企業のコンサルティングを行う会社に入社。




完全実力主義の環境の中

1年間、徹底的に働き、

経験を積むことになる。






「今度くるときは絶対お世話になるって決めてました。」






約1年振りに一日セミナーにきた彼が

堂々とした表情で言ってくれた言葉だ。




彼の言葉には

乗り越えた者の持つ重みがあった。




そして、

有言実行で戻ってきた

彼に対する斎東亮完の信頼も厚い。




本物・一流の人たちは

「今何を言っているか」よりも「何をやり続けてきたか」

ということをしっかりと見ている。








彼は、自分の情けなさに涙を流したこともあった。




事業をたたんで、地元に帰ることは、

就職することは




これ以上ない負けだと感じていたことだと思う。




自己否定をしていたのだと思う。

 



しかし、

そんな自分の我を超えて

壁を乗り越えた彼は




すでに自分自身に克った、真の勝者だった。




彼は今、




「何をよりも誰と」




という亮完流の教えに忠実に




真に応援したいと感じるクライアントのために

マーケティングのコンサルタントをしている。




実は、そのクライアントも

一日集中セミナーに参加してくださり、

塾にも通うことになったのだ。




それも、

静岡から通うのである。




何よりも、そのこと自体が

彼が、しっかりと絆を育んでいる証拠だと思い

嬉しくなった。




ブレない使命は、

自分の中にはない。




大切な誰かとの間に出現するもの。




彼が、その方を大切にし続ける限り

私事で迷うことはないだろう。








亮完流プロデュース塾10期は

先月、11月のスタート。






彼の旅、第2章がここに始まる。